資金純流入を“前年同月比”で見ると異なる風景が。新規の買い手が一巡した可能性も
ただ、資金純流入額を前年同月比で見ると、やや風景が違ってきます。直近の数字しか取っていないので、あくまでも短期的な傾向として捉えていただきたいのですが、2025年5月以降、資金純流入額の前年同月比がマイナスに転じています。ちょうど4月の暴落後からの動きで、ここが2024年8月の暴落後と大きく違う点です。
この時は2025年1月にかけて前年同月比で見ても高い増加率を維持していたのですが、2025年4月の暴落後は、マイナスの月が続きました。そのマイナス値は5月の▲11.91%、6月の▲38.54%、7月の▲53.92%と上昇した後、8月の▲3.91%、9月の▲4.72%、10月の6.10%というように回復。しかし、11月は▲21.3%、12月は▲19.06%というように、再びマイナスに転じました。
2024年1月にNISAがリニューアルされた時、「NISAはS&P500のインデックスファンドで積み立てておけばいい」という風潮が広まりました。「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、その代表的なインデックスファンドとして人気を博したわけですが、その時からインデックスファンドの積立投資を始めた人も含め、そろそろ新規の買い手が一巡した可能性はあります。
とはいえ、純資産総額で10兆円の規模を持つファンドですし、1月9日時点の受益権口数は2兆5237億口もあるので、今後も継続的に資金が流入してくる積立投資分のことも考慮すると、解約が設定を上回り、資金純流出が続くような事態に直面するとも思えません。それにインデックスファンドなので、もし資金純流出になったとしても、アクティブファンドのように運用難に陥るリスクは低いと考えられます。
アクティブファンドの運用者のなかには、S&P500のインデックスファンドについて「マーケットが右肩上がりの時は良いが、ひとたび下落に転じた際には、投資哲学を持たずに『ほったらかし』にしていた層がパニック売りを引き起こし、さらなる暴落を招く」などと公言している人もいますが、そうなった時はアクティブファンドも無傷では済まされません。
「アクティブファンドは銘柄を厳選するから、マーケットの下落局面ではインデックスファンドよりも下げを小さく抑えられる」などと反論してきそうですが、それは厳選した銘柄で構成されるポートフォリオが、ベンチマークとなるインデックスを上回る確証があっての話です。現に、マーケットの下落局面でインデックスファンドのパフォーマンスを下回るアクティブファンドもたくさんあります。この反論は、ファンドを買う側が、優秀な運用者を見分けられるだけの目を持っていることが大前提になります。
アクティブファンドは、運用者によってパフォーマンスの当たり外れが大きいのは事実です。だからこそ、平均値を目指すインデックスファンドが光るのです。
