資金純流入額は、急落時には一時的に減るが回復してきた

いつまでこの人気が続くのか、ですが、金額ベースでは相変わらず資金純流入が続いています。月間の資金純流入額は、2025年7月こそ1000億円を割り込みましたが、その後は1000億円超の資金純流入が続き、2025年12月は1600億円にも達しました。

ちなみに資金純流入額とは、設定額から解約額を差し引いたもので、純粋にそのファンドに対して流入した資金の額を示しています。

一般的にファンドのサイズを計る場合、追加型の場合は「純資産総額」が用いられますが、純資産総額はファンドに組み入れられている資産を時価評価したものなので、解約額が設定額を上回っていようとも、組入資産が値上がりすれば、純資産総額が増えることもあります。つまり純資産総額の増減だけでは、ファンドへの資金の純流出入を把握することは出来ません。前出の資金純流出入は、ファンドの純資産総額を受益権口数ベースに換算し、それに1口基準価額を掛けて、前営業日の増減を比べたものになっています。

こうして計算した資金純流出入ですが、注目したいのは株価が急落した直後からの推移です。直近、株価が急落したのは2024年8月と2025年4月の2回です。この時、資金純流出入の状況はどうなったのでしょうか(※編集部注:以下、資金純流出入は筆者の推計)。

まず2024年8月の急落時ですが、その前月が1999億円の純流入だったのに対して、8月は1180億円の純流入にとどまりました。8月の月初にS&P500が大幅下落となった影響があったのかどうかは分かりませんが、少なくとも資金純流入額が7月に比べて大幅に減ったところを見ると、少なからぬ影響は受けたものと推察されます。

また2025年4月の急落時における資金純流出入を見ると、4月自体は大きな落ち込みはなく、1745億円の純流入を示していたのですが、翌月から落ち込み、

5月・・・・・・1419億円の純流入
6月・・・・・・1034億円の純流入
7月・・・・・・921億円の純流入

というように推移しました。

ただ、これは2024年8月、2025年4月という、両方の株価急落に当てはまることですが、一時的に資金純流入額は減ったものの、その後は回復しています。年初はNISAを通じた資金流入増という特殊要因はありますが、2025年1月には4050億円まで資金純流入額は増えていますし、2025年7月に921億円まで落ち込んだ後、同年12月には1623億円まで回復しています。

このように資金流入額が順調に回復したのは、2回の暴落とも、その後のマーケットが堅調に推移し、暴落前の高値を短期間のうちに抜いてきたからです。マーケットに対する信頼感の高さが、数字に表れているといっても良さそうです。

三菱UFJアセットマネジメントが1月8日に出したリリースによると、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は2018年7月3日に設定された後、2022年2月10日に純資産総額が1兆円を突破。2024年6月24日に5兆円をこえ、同年10月28日には5兆7696億円に達して、ETFを除く国内公募追加型株式投信において、過去最大の純資産総額を記録したとのことです。

そして、5兆円を突破した日から約1年半で10兆円を突破しました。設定日から約6年で5兆円を超え、その後約1年半で倍増ですから、この間の株価上昇による影響もありますが、明らかに純資産総額の増加ペースは速くなっています。