「非上場株式」2割近くが投資意欲

プライベートアセットとは、市場では取引されていない資産のこと。そのうち株式であれば、証券取引所に上場していない企業の株式が該当する。一般的にはベンチャー企業や中小企業のイメージがあるが、有名な大企業でも上場していない企業は数多く存在する。

日本証券業協会が2025年9月に公表した「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」によるとプライベートアセットのうち、非上場株式に既に投資している、もしくは投資したいと考えている個人投資家は約2割。回答者5000人のうち、5人に1人が非上場株式への投資に興味を示しており、決して小さな数字ではないだろう。

調査では、プライベートアセットについて、非上場株式(スタートアップ企業/それ以外)と投資信託(プライベートアセットに投資するもの)に分けて認知度や投資意欲を分析している。

結果をより詳細に見ていこう。プライベートアセットのうち「非上場株式(スタートアップ企業)」については約半数の47.1%が「知っている」と回答。内訳は「投資経験あり」が2.9%、「興味はあるが投資経験なし」が17.4%、「知っているが特に興味はない」が26.8%となっている。

非上場株式(スタートアップ企業)の認知状況

 
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)
 

年代別でみると若い世代ほど認知度が高い。30代以下で57.6%、40代で51.8%と若い層ほど高いが、70代以上では35.3%まで下がる。さらに注目すべきは実際に投資経験がある人の割合だ。非上場株式(スタートアップ企業)への投資経験者は30代以下4.6%、40代4.9%と、他の年代よりも高い。一般的に投資経験は年配者の方が豊富だというイメージもあるかもしれないが、プライベートアセットに関しては若い世代の方が積極的なようだ。

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