金融知識が豊富な人の投資について知りたい人にとって参考になるのが日本証券業協会による「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(2025年9月発表)の結果だ。
お金の知識が豊富な人の投資方針は?
調査によると、個人投資家の投資方針にはお金の知識の差によって明らかな違いがある。中でも株式投資については、金融知識が高い層のうち52.8%が「概ね長期保有だが、ある程度値上がり益があれば売却する」という方針を持っている。一方、金融知識が低い層では43.7%にとどまる。その差は約10ポイント開いている。
金融に関する知識と投資方針(株式)
(注)金融に関する知識の高低は、本調査における金融知識問題(全4問)の正答数によって以下のとおり区分。なお、今回調査から金融知識問題は3問から4問に増加した。
金融知識-高=正答数4問、金融知識-中=正答数2~3問、金融知識-低=正答数0~1問
投資信託について見ると、差はさらに大きくなる。金融知識が高い層では68.0%が先述の株式投資と同様、「概ね長期保有だが、ある程度値上がり益があれば売却する」方針が最多であるのに対し、低い層では48.3%と20ポイントほど下がる。
特に注目すべきは金融知識が低い層では「特に決めていない」という回答が株式投資で15.5%、投資信託で30.4%と高いことだ。金融知識が高い層(株式:4.8%、投資信託:13.0%)と比べて約2~3倍の差がある。
金融に関する知識と投資方針 【投資信託】
(注)同上
つまり、お金の知識が豊富な投資家は具体的な方針を持ち、長期保有を基本にしながらも適切なタイミングで売却判断ができる傾向にあるようだ。一方、知識が不足している投資家は明確な計画なしに投資している人が多いことが分かる。


