NISA口座以外でも「ネット証券優位」、一方で大手証券にも存在感

次にNISA口座以外(一般口座・特定口座)の開設先金融機関を見てみよう。なお一般口座や特定口座はNISA口座と違い、投資で得た利益に税金がかかる。一般口座では自身で投資の譲渡損益、配当金の計算を行い、確定申告を行う必要がある。特定口座では金融機関がそれらの計算を行い、確定申告の有無は自身で選べる。

調査結果によると、一般口座・特定口座でも「ネット証券」が50.6%と最も多く、次いで「大手証券」が31.8%、「銀行(ゆうちょ銀行を除く)・信用金庫・信用組合」が19.9%と続いている。

NISA口座以外(一般口座・特定口座)の開設金融機関(複数回答)

(図表)NISA口座以外(一般口座・特定口座)の開設金融機関(複数回答)
 
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)
 

NISA口座と比較すると、NISA口座以外ではネット証券の割合が約10ポイント低く、逆に大手証券は約13ポイント高くなっている点が特徴的だ。理由としては、一般口座・特定口座の方がNISA口座よりも歴史が長く、以前から口座を持っている投資家が大手証券を利用している可能性が挙げられる。また、複数回答が可能であり、ネット証券と大手証券の両方に口座を持つ投資家も一定数存在するだろう。

年代別では、NISA口座と同様に若い世代ほどネット証券の割合が高く、年代が上がるにつれて大手証券の割合が増加している。60〜64歳では大手証券が38.3%、65〜69歳では43.3%、70代以上では45.3%となっている。

調査結果からは、年代による金融機関の選択に明確な違いがあることが分かる。投資歴の長さや複数の金融機関を使い分ける投資家の存在なども影響しているようだ。NISAもほかの証券口座も、一度開設したらそのまま使い続けなければいけないわけでもない。特にNISAは年末に向け、金融機関によっては口座乗り換えキャンペーンなども行われている。自身に合う金融機関を見直してみてもよいかもしれない。

●投資信託を購入した人の満足度はネットと対面で違うのか? 後編「資産運用「ネットと対面」どちらの満足度が高いのか―調査から分かった結果は意外? それとも納得?」にて詳報している。

調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の18 歳以上の有価証券保有者5000人 調査での定義 ・大手証券:SMBC 日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券   ネット証券:ウェルスナビ、SBI 証券、SBI ネオトレード証券、GMO クリック証券、スマートプラス、大和コネクト証券、 CHEER 証券、tsumiki 証券、DMM.com 証券、PayPay 証券、松井証券、マネックス証券、三菱 UFJ e スマート証券、moomoo 証券、楽天証券   ・地域証券(地場証券):東京以外に本社がある証券会社 ・投資信託を直接販売する会社:鎌倉投信、コモンズ投信、susten キャピタル・マネジメント、さわかみ投信、セゾン投 信、三井住友 DS アセットマネジメント、三菱 UFJ アセットマネジメント、ユニオン投信、レオス・キャピタル・ワークス