「テーマ型」と「のむラップ・ファンド」の比較

足利銀行の売れ筋トップは継続して「のむラップ・ファンド(積極型)」だが、トップ10の中には、「テーマ型」といわれる特定の投資テーマに特化して投資するファンドがある。「グローバル・ロボティクス株式ファンド」は、ロボットや自動化などに関連する企業に焦点を当てた銘柄選択を行うファンドだ。そして、「グローバルAIファンド」はAI関連に投資するファンドだ。このような「テーマ型」ファンドの動きの特徴は、投資対象を限定しているために、値動きが大きくなる傾向がある。2024年1月から2025年9月までの推移を振り返るだけでも「グローバルAIファンド」の基準価額の値動きの大きさは見て取れる。

一方、「のむラップ・ファンド」は株式や債券などに分散投資するバランスファンドだ。「積極型」は株式等リスク資産の組み入れに上限がないため、設計上は「株式」に100%投資しても良いのだが、実際のポートフォリオでは分散投資を行っている。2025年8月末時点の資産内容は、「国内株式」10.8%、「外国株式」54.5%、「世界REIT」13.8%で、リスク性資産が約79%だ。ここに「国内債券」4.7%と「外国債券」15.1%を組み合わせている。このような分散投資を行っている結果、2025年4月にあったような株価の急落局面でファンドの基準価額の下落率が抑えられている。その結果として、2025年のパフォーマンスでは「グローバル・ロボティクス株式ファンド」を上回る成績を残している。

もちろん、運用期間が10年、20年という長期になると、バランスファンドのパフォーマンスは成績の良い株式ファンドには及ばないということになる。ただ、2年~3年という比較的短い期間で比較すると、バランスファンドの方が株式ファンドを上回る成績になることがある。現在のように株価が全般に上昇し、高値警戒感が強くなっている局面では、バランスファンドの下値抵抗力の強さは評価される。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩