国内株の上昇に懐疑的すぎ?

滋賀銀行の売れ筋で第3位に上がった「One日本株ダブル・ベアファンド2」は、日々の国内株式市場の値動きに対しておおむね2倍程度反対になることをめざして運用するファンドで、日本株が下落するという見方をする投資家が購入する。6月にトップ10圏外から第4位にジャンプアップし、7月に順位を一段上げた。同ファンドの値動きが際立ったのは4月の株価下落時だった。3月末から4月7日まで1週間で基準価額は約30%上昇した。その後、株価が戻るとともに、同ファンドの基準価額は下落し始めた。

そして、6月になると、国内の代表的な株価指標である「日経平均株価」が4万円に向けて上昇をはじめ、6月末には4万円の大台を回復した。これまで何度か4万円にトライしてきたものの4万円台で株価が定着することがなかった。6月になって「One日本株ダブル・ベアファンド2」が人気化した背景には、そういった投資家の経験があるのだろう。2024年7月につけた「日経平均株価4万2224円」の最高値を更新することはないだろうという見方だ。2025年7月になって日経平均株価は4万1800円台まで上昇した。それでも最高値を更新することはないという見通しがあったため、同ファンドへの人気は一段と高まることになったと考えられる。

ところが、今回の国内株式市場の上昇は一気に最高値を更新し、日経平均株価は8月に4万3700円台まで上昇した。同ファンドの基準価額は8月18日には6月末基準に対して15%下落し、5月末基準に対しては26%安という水準に下落した。「ダブル・ベア」などレバレッジ(てこの原理)を使って指数の何倍かの値動きをするようなファンドは、狙いが当たった時の見返りは大きいが、外れた時の損失も大きい。オーソドックスなインデックスファンドである「日経225ノーロードオープン」などを保有した上で、リスク管理の手段として「One日本株ダブル・ベアファンド2」を併用するなどの使い方が望ましいといえる。