暫定税率廃止は▲1.0~▲1.5兆円以上の減税効果
仮に暫定税率が廃止されれば、様々な税目を通じて税収に影響を及ぼす。資料1は、2025年度当初予算をもとに、暫定税率が年間を通じて発動された場合の影響を示したものである。
まず暫定税率の廃止は、ガソリンに課せられる揮発油税と地方揮発油税をそれぞれ 24.3 円/ℓ 、0.8 円/ℓ 引き下げる。そして、トータル 25.1 円/ℓ のカソリン値下げを通じて、国税を約▲1.0兆円、地方税を▲0.03兆円程度それぞれ減らすことになる。また、対象に軽油が含まれれば、軽油引取税の17.1 円/ℓ引き下げを通じて地方税を▲0.5 兆円程度抑えることになる。
以上より、ガソリンの暫定税率が廃止されると、2025年度予算を基にすれば、国・地方分を合計して 軽油を除くと▲1.0兆円、軽油が含まれれば▲1.5兆円以上の減税効果があることになる。
著者情報
永濱 利廣
ながはま としひろ
第一生命経済研究所首席エコノミスト
早稲田大学理工学部工業経営学科卒、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年第一生命保険入社。98年より日本経済研究センター出向。2000年より第一生命経済研究所経済調査部、16年4月より現職。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。景気循環学会常務理事、衆議院調査局内閣調査室客員調査員、跡見学園女子大学非常勤講師などを務める。景気循環学会中原奨励賞受賞。「30年ぶり賃上げでも増えなかったロスジェネ賃金~今年の賃上げ効果は中小企業よりロスジェネへの波及が重要~」など、就職氷河期に関する発信を多数行う。著書に『「エブリシング・バブル」リスクの深層 日本経済復活のシナリオ』(共著・講談社現代新書)、『経済危機はいつまで続くか――コロナ・ショックに揺れる世界と日本』(平凡社新書)、『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』(講談社現代新書)など多数。
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