U-NEXT HOLDINGSの事業内容
U-NEXT HOLDINGSの事業は5つのセグメントで構成されており、コンテンツ配信事業が売上高の33%を占める主力事業となっています。同事業では動画配信サービス「U-NEXT」を運営し、有料会員数は約453万人に達しています。国内の動画配信サービス市場において、作品数でダントツの地位を築いており、映画、ドラマ、アニメなど幅広いコンテンツを提供しています。
店舗サービス事業は売上高の21%を占め、営業利益率14%と高い収益性を誇ります。この事業では店舗・施設向けの音楽配信サービスを提供し、国内トップシェアを維持しています。通信事業(売上高の18%)では光回線やモバイル通信サービスを展開し、エネルギー事業(売上高の18%)では電力小売事業を手がけています。業務用システム事業(売上高の9%)は営業利益率24%と最も高い収益性を実現しています。
2025年8月期第3四半期決算では、売上高2,834.38億円(前年同期比20.3%増)、営業利益242.06億円(同2.9%増)と増収増益を達成しました。全セグメントで増収となり、特に通信・エネルギー事業が大きく伸長しています。
直近1カ月の株価推移
6月末から7月25日までの1カ月間で、U-NEXT HOLDINGSの株価は高値圏での推移から調整局面を迎えています。6月30日には年初来高値となる2,359円を記録しましたが、その後は利益確定売りに押される展開となりました。7月上旬は2,250円台で推移し、中旬には2,100円台まで調整が進み、7月28日には2,008円まで下落しています。
【U-NEXT HOLDINGS(9418)の株価チャート(過去1カ月年間)】

この調整の背景には、6月末の高値圏での過熱感や、夏場の相場の季節性要因が影響したと考えられます。しかし、7月10日に発表された第3四半期決算では市場予想を上回る好調な内容となり、株価の下支え要因となりました。年初来では1,620円の安値から約28%上昇しており、中長期的な上昇トレンドは維持されています。
【U-NEXT HOLDINGS(9418)の株価チャート(年初来)】

出来高は7月28日に1,203,000株と大幅に増加し、前回の663,800株から約81%増となりました。売買代金も2,440,644千円と活発な取引が続いており、投資家の関心の高さを示しています。PER21.69倍、PBR3.90倍という水準になっています。
今後の展望
U-NEXT HOLDINGSの今後の成長を支える要因として、まず動画配信市場の継続的な拡大が挙げられます。コロナ禍を経て定着した在宅エンターテインメント需要は根強く、同社の豊富なコンテンツラインナップは競合他社に対する優位性を保っています。有料会員数の着実な増加と、ARPU(1ユーザー当たり売上高)の向上により、コンテンツ配信事業の収益基盤は一層強固になると予想されます。
多角化戦略の成功も重要なポイントです。店舗サービス事業では、アフターコロナの経済活動正常化に伴い需要回復が期待され、通信・エネルギー事業では規制緩和や市場競争の激化を背景とした事業機会の拡大が見込まれます。特にエネルギー事業は、脱炭素社会への移行という長期的なトレンドを追い風に、持続的な成長が期待できる分野です。
財務面では、自己資本比率35.8%と安定した財務基盤を維持しており、配当利回り0.68%、1株配当14円の株主還元も強化されることが期待されます。投資判断においては、次回の通期決算発表での業績進捗と、各事業セグメントの成長持続性が重要な判断材料となるでしょう。