西日本鉄道の事業内容
西日本鉄道グループは、運輸業を中核として多角的な事業展開を行っています。2025年3月期の連結事業構成では、物流業が1,480億円と最大の売上比率を占め、不動産業877億円、運輸業809億円、流通業719億円、レジャー・サービス業527億円、その他309億円となっています。
運輸業では、鉄道事業とバス事業を柱とし、特にバス事業では九州最大規模のネットワークを展開しています。物流業では航空貨物にも注力し、成長分野として位置づけています。不動産業では福岡都市圏を中心とした開発事業を手がけ、安定した収益基盤を構築しています。
2025年3月期の連結業績は、営業収益4,434億9,500万円(前期比7.7%増)、営業利益266億5,500万円(同3.0%増)と増収増益を達成しました。レジャー・サービス業が好調に推移し、経常利益は287億3,900万円(同17.1%増)と大幅な増益となりました。
直近1カ月の株価推移
西日本鉄道の株価は、7月初旬から上昇トレンドが継続しています。8月4日15時30分時点の株価は2,200円で、前日比1円高(0.05%上昇)となっています。
【西日本鉄道の株価チャート(過去1カ月)】

年初来の株価レンジは、2月14日の高値2,335円から4月7日の安値1,926円まで約400円の値幅で推移しており、現在の株価水準は年初来高値から約130円下の水準にあります。直近1カ月では、7月初旬の2,000円台前半から徐々に上昇し、2,200円台での推移が続いています。
【西日本鉄道の株価チャート(年初来)】

今後の展望
財務指標面では、PER8.04倍、PBR0.68倍と割安な水準にあり、特にPBRは1倍を下回る状況が続いています。ROE8.71%、自己資本比率31.8%と財務体質は安定しており、配当利回りも1.82%と一定の魅力があります。
中長期的な成長期待としては、物流業の拡大と不動産業の安定収益が鍵となります。九州経済の成長とインバウンド需要の回復が、同社の事業環境にプラスに働く可能性があります。
投資判断のポイントは、決算内容と今後の業績見通し、そして割安な株価水準からの反発力がどの程度あるかという点になりそうです。