バローホールディングスの事業内容
バローホールディングスは、中部地方を地盤とする総合小売業として多角的な事業展開を行っています。主力事業である食品スーパーマーケット事業では「バロー」ブランドで展開し、ホームセンター事業では「ダイユーエイト」、ドラッグストア事業、ペットショップ事業など幅広い業態を運営しています。
特に注目すべきは、2021年に完全子会社化した八百鮮の存在です。八百鮮は2024年度に売上82億円を達成し、前年の59億円から23億円増(約39%増)という驚異的な成長を遂げています。同社の特徴は「逆張り仕入れ」と呼ばれる独自戦略で、旬や定番にこだわらずに安価で高品質な商品を仕入れることで、売り場一坪あたり1,400万円という業界平均の3倍以上の売上を実現しています。
バローホールディングスの2025年3月期の連結決算では、営業収益8,544億3,500万円(前年同期比5.8%増)、営業利益231億9,100万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益136億5,400万円(同14.3%増)と増収増益を達成しており、特に純利益の大幅な伸長が目立っています。
直近1カ月の株価推移
バローホールディングスの株価は、7月初旬から明確な上昇トレンドを描いています。7月初旬の2,400円台から徐々に上昇し、7月末から8月にかけて急激な上昇を見せました。8月1日には前日比80円高(3.00%上昇)の2,750円で取引を終え、年初来高値の2,755円を更新しました。
【バローホールディングスの株価チャート】(過去1カ月)

この1カ月間の株価上昇の背景には、好調な業績への期待と証券会社からの高い評価があります。また、第1四半期(4-6月)のスーパーマーケット事業が前年同期比5.1%増と好調な成長を示したことも、投資家の信頼感を高める要因となっています。
出来高も112,400株と活発な取引が続いており、市場の関心の高さを物語っています。年初来安値の2,080円(1月14日)と比較すると、約32%の上昇となっており、小売業界の中でも特に注目される銘柄となっています。
【バローホールディングスの株価チャート】(年初来)

今後の展望
バローホールディングスの今後の成長を占う上で、最も重要なポイントは八百鮮事業の拡大ペースです。八百鮮は現在10店舗で82億円の売上を達成していますが、同社は売上100億円を目標に掲げており、この目標達成が親会社の業績にも大きく寄与すると期待されています。
財務面では、PER10.35倍、PBR0.85倍と割安感があり、ROE8.15%、配当利回り2.55%と投資魅力も備えています。自己資本比率37.2%は小売業としては標準的な水準で、財務の安定性も確保されています。
中長期的には、23年6月に就任した小池社長のもとで進められているコングロマリットディスカウント解消と構造改革の成果が鍵となります。八百鮮のような高収益事業の拡大と既存事業の効率化により、さらなる成長が期待されています。カンブリア宮殿での露出効果も含め、今後の業績動向と株価の行方に注目が集まります。