プログレスレポートでも注目された「元本確保型」
2025年6月末に金融庁から公表された「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2025」では、確定給付企業年金(DB)とともに確定拠出年金(DC)についても相当の紙幅を割いています。
DC記録関連運営管理機関(レコードキーパー)4社からのデータをもとにした分析やヒアリング調査結果がまとめられ、「元本確保型」商品に着目した分析や運営管理機関の収支構造を分解するなど、今までになかった視点が盛り込まれました。
元本確保型についてプログレスレポートでは次のように記載しています。
「足元において、物価は上昇基調にあり、元本確保型商品(預貯金や保険商品)の金利・利率は、一般に消費者物価の上昇率を下回っている。この傾向が続き、(物価の上昇率を下回る金利・利率の)元本確保型商品で長期に運用していく場合、将来において実質的な購買力を確保できない、換言すれば、実質的な資産価値が目減りし続けることになる」
プログレスレポートで報告された数値は次のとおりです(2024年9月末時点のデータ)。
・企業型DCの投資信託の残高 15.6兆円(68%)
・企業型DCの元本確保型商品の残高 7.4兆円(32%)
・「元本確保型のみで運用する者」の資産残高 2兆円
・「元本確保型のみで運用する者」の加入者等数 175万人(全体の20%)