◆アクティブは「インベスコ 世界厳選株式オープン」が強い
6月のランキングで「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」がトップにはなったものの、そのパフォーマンスは取り立てて優れたものではない。そもそも「MUFGウェルス・インサイト・ファンド」シリーズは、他のファンドに勝るパフォーマンスを求めるというより、市場の下落局面で踏みとどまる安定的な運用成績が求められるファンドだ。「目標リスク」を定めてリスクに着目して資産配分比率を見直していく運用姿勢からもリスクを重視した運用であることがわかる。「標準型」の目標リスクは年率10%程度、「積極型」は同14%程度、「保守型」は同6%程度だ。
「MUFGウェルス・インサイト・ファンド」のパフォーマンスを年初から振り返ると、4月の株価急落時に「積極型」は年初来マイナス16.8%の水準まで下落したが「標準型」は11.5%程度の下落にとどまった。この最安値時には「S&P500」インデックスファンドはマイナス23.1%の水準まで下げたので「積極型」であっても下落率を抑える役割を果たした。そして、その後の戻り相場では「積極型」の上昇率が大きく、基準価額は「標準型」を上回って推移するようになっている。7月11日になって「積極型」は年初の水準を回復するに至った。「標準型」はマイナス1.5%の水準だ。
一方、その他のアクティブファンドでは「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」が出色のパフォーマンスを見せた。4月の下落時のボトムをマイナス14.9%で切り抜けると、その後の戻り局面では6月6日に年初の水準を回復し、7月11日にはプラス8.4%の水準まで上伸している。下落時にはバランス型の「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(積極型)」よりも下落率を抑え、その後の反発局面でも大きな上昇率だった。
また、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」も特徴的な動きだった。4月の下落時にはマイナス27.0%と「S&P500」を上回る下落率となったものの、その後の戻り局面で急速に挽回し、7月11日時点では年初来の基準価額の水準が「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」を上回っている。10位の「三菱UFJ/マッコーリーグローバル・インフラ債券ファンド<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は2025年のパフォーマンスでは「MUFGウェルス・インサイト・ファンド」に劣後するものだった。
執筆/ライター・記者 徳永 浩