来年の賞与は前途多難?

同調査の結果から、賞与の平均支給額は昨年から増えたことが分かった。好調な業績、優秀な人材の確保・定着を賞与支給額アップの理由に挙げる企業が多かったと同調査では分析している。「ベースアップに連動して賞与も増額になった」という声も聞かれ、賃上げの流れが賞与にも波及しているようだ。

ただ賞与が上がったと回答する企業の割合は企業規模によって差があることが同調査では示されており、賞与の支給額は企業間で二極化の兆候がみえると分析している。

今後の見通しはどうだろうか。物価高騰による企業収益の圧迫、あるいはトランプ関税など経済の先行き不透明感の強まりも影響し、さらなる賞与や賃金の引き上げは難しくなることが懸念される。しかし人手不足のなかで、優秀な人材を確保し定着を図るには継続的な賃上げが欠かせない。賃上げの原資を確保するために経営改善を進めるとともに、国としても多面的な企業支援が必要であると同調査では結んでいる。

調査概要 調査名:2025年夏季賞与の動向アンケート 調査主体:株式会社帝国データバンク 調査方法:インターネット調査 調査対象:全国1227社 調査期間: 2025年6月6日~2025年6月10日