「選択と集中」投資は8ブランドに集約 コスト削減3年で650億円

資生堂は現在、構造改革に取り組んでいます。契機となったのは新型コロナウイルスです。化粧品は影響を比較的強く受けた業界で、資生堂も利益を大きく減らしました。これを契機に、高収益企業への進化を目指しています。

構造改革で、まず取り組んだのが事業ポートフォリオの変革です。21年に「ベアミネラル」など高価格帯3ブランドを手放したほか、「ツバキ」などの日用品部門の売却や、「ドルチェ&ガッバーナ」のライセンス契約の解消にも着手しました。また、22年にはヘアサロンといった業務用のプロフェッショナル部門も売却しています。

事業の整理を進める一方で、付加価値の高い注力8ブランドには投資を集中します。マーケティング投資を26年12月期までの2年間で300億円増やし、成長を加速させます。マーケティング投資全体に占める注力8ブランドの比率は、26年12月期に8割を超える計画です。

【資生堂の注力8ブランド】

<コア3>
・シセイドウ
・クレ・ド・ポー ボーテ
・ナーズ

<ネクスト5>
・アネッサ
・ナルシソ ロドリゲス
・イッセイ ミヤケ
・エリクシール
・ドランク エレファント

出所:資生堂 中期経営計画

ブランドの選択と集中を進めつつ、グローバルでコスト削減にも取り組みます。24年12月期には200億円のコスト削減効果が発現しました。コスト削減の対象範囲をさらに拡大させ、25年12月期には同200億円、26年12月期には同250億円の効果創出を目指します。