創業150年の老舗、売上は世界8位 中国・免税店が主力

資生堂は大手の化粧品メーカーです。1872年に調剤薬局として創業し、1897年に化粧水の「オイデルミン」で化粧品へ進出しました。主力ブランドは高価格帯の「シセイドウ」や「クレ・ド・ポー ボーテ」、中価格帯の「エリクシール」や「アネッサ」などです。世界的な化粧品メーカーであり、売り上げはアジア発企業として首位、世界でも8位となっています(2023年)。

主要市場は中国です。売り上げはコロナ前より大きく、21年12月期~23年12月期は日本を上回っていました。日本は事業売却を進めてきた影響もあり、売り上げはコロナ前より低水準です。なお、中国は停滞感もあり、足元の売り上げは日本と同程度となっています。

資生堂の地域別売上高を表した図表(2019年12月期~2024年12月期)
 
出所:資生堂 有価証券報告書
 

利益でも中国の貢献は大きくなっています。セグメント別の利益は、中国および免税店での販売を担う「中国・トラベルリテール事業」が最大です。中国事業と免税店事業は別のセグメントでしたが、25年3月の組織体制の変更に伴い統合されました。セグメント利益は次いで「日本事業」が大きく、これら以外の利益は低調です。

【セグメント情報(2024年12月期)】

資生堂のセグメント情報を表した図表(2024年12月期)
 

※2025年3月のセグメント変更後(コア営業利益は暫定値)
※コア営業利益…営業利益から構造改革に伴う費用・減損損失・買収関連費用等、非経常的な要因により発生した損益を控除したもの

出所:資生堂 決算資料