叔母の自宅で見つけた書類を見てみると…
しかし、コロナ禍になり、その後は我が家でゴタゴタがあり、ここ数年はメールのやりとりはあっても直接会う機会はありませんでした。私と妻の関係が悪化して熟年離婚することになり、長男は私の元に残りましたが、妻と二男は家を出ていったのです。
叔母は私のことを心配して手紙をくれたり、私や長男の好物を送ってくれたりしました。会ってお礼を言わなければと思っていましたが、妻への財産分与の話し合いなどが長引き、なかなか叔母の顔を見に行けませんでした。
6年ぶりくらいに会った叔母は、グレイヘアになり、相応に年齢を重ねた感じでした。聞けば、近所の仲良しグループで旅行や観劇、ランチなどを楽しんでいたのが、コロナ禍前後から1人かけ、2人かけして、最近はほとんど出歩くことがなくなったのだとか。
自宅でできる趣味としてパッチワークを始めたそうで、ソファやサイドボードには叔母の作ったカバーがかけてありました。久しぶりに私が来るということで、私が子供の頃から好きだった祖母直伝のミートローフやナポリタンを作ってくれました。
叔母がキッチンに立っている間にふと目に留まったのが、ライトテーブルの上に置いてあった書類です。高齢者が病院に入院したり施設に入居したりする際に身元保証を行う会社のものでした。
「へぇ、最近はこういう会社があるんだね。ちょっと見ていい?」と尋ねると、「ひとり暮らしだと保証人を探すのが大変だから、準備をしておいた方がいいと思って」と叔母も快く許可してくれたので、手持ち無沙汰にぺらぺらと書類をめくっていました。