親族が見せた冷たい反応の数々

その言葉に反応したのは、高橋さんの叔母だった。

「え、何それ? そんな話、聞いてないわよ」

高橋さんは慌ててスマホを取り出し、該当するLINEの画面を見せた。

「ね、ほら。『あげる』って書いてあるでしょう? 私、もう不動産会社とも契約が決まっちゃってて……」

高橋さんの父も苦々しい表情を浮かべる。

「陽菜、お前……それは“あげるかも”って程度の会話だろ? そもそもおばあちゃんがLINEで言ったってだけで、書面もないし正式な贈与契約じゃない」

叔母は冷たく続けた。

「LINEで約束しただけ? そんなの法的には無効よ。現に贈与されてないんだから成立してないわよ」

高橋さんと祖母との間には確かにお互いの意思の合致があった。しかし、周囲の親族や家族は誰一人彼女の言うことについてまともに取り合おうとしない。

●高橋さんが祖母と交わした約束はどうなってしまうのか? 相続トラブルの驚くべき結末は、後編【「LINEじゃ効力がない」と親族が一蹴…祖母と交わした最後の約束は本当に無効? 家族会議で孤立した孫が猛烈に後悔したこと】で詳説します。

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