生活・産業は海外が重点領域、M&Aも旺盛 エレクトロニクスは半導体が柱
情報コミュニケーション以外のセグメントは素材や部材メーカーとしての機能を持ちます。
生活・産業のサブセグメントは「パッケージ」と「建装材」です。パッケージは世界トップシェアの透明バリアフィルム(GLバリア)を中心に、食品や医薬品などの包装材を製造します。また内容物の充填も手掛けます。建装材は、主に床や壁などに用いる化粧シートを製造しています。
【生活・産業セグメントの主な概要(2025年3月期)】
※サブセグメント営業利益は売上構成比および営業利益率から概算
生活・産業の成長領域は主に海外です。パッケージは環境配慮型の包装材を中心に展開を進めます。M&Aにも積極的で、2024年12月には米ソノコ社から包装事業の取得を公表したほか、2025年3月には伊イルプラスト社の買収を公表しました。一方、国内パッケージは軟包装を除き事業見直しを進めます。建装材はグローバルで生産性の改善に取り組み収益の改善を図ります。
次にエレクトロニクスです。同事業は「半導体」と「ディスプレイ」のサブセグメントで構成されます。半導体は、半導体デバイスの製造に用いるフォトマスクと、半導体デバイスの基板となるFC-BGAが主要製品です。ディスプレイは反射防止フィルムなどの製造を手掛けます。
【エレクトロニクスセグメントの主な概要(2025年3月期)】
※サブセグメント営業利益は売上構成比および営業利益率から概算
エレクトロニクスで注力するのは半導体です。FC-BGAとフォトマスクを重点事業と位置付けており、特にFC-BGAは生成AIやネットワーク機器での需要を見込みます。また、FC-BGAはNTT(日本電信電話)が進める次世代通信「アイオン」対応の基盤を開発中です。なお、フォトマスクは子会社(テクセンドフォトマスク)の新規上場を予定しています。