3位の職種にはSNSの影響も

3位にランクインしたのは、13万円アップの「企画・管理」(504万円→517万円)だ。

2024年度は大手企業を中心に、総務や法務などの管理部門で即戦力人材の採用が進んだという。

近年は、SNSを起点としたコンプライアンス違反や不正問題の炎上が経営リスクにつながるケースも少なくない。同社ではそうした背景から企業がガバナンス強化に注力するようになったと指摘している。

経理においては、2024年度の監査統制基準の改定に加え、電子帳簿保存法やインボイス制度といった会計関連法の相次ぐ見直しを受け、業務効率化やシステム導入スキルへの期待が拡大。こうした動きが、「企画・管理」の平均決定年収の上昇につながったとされている。

転職による年収の伸び幅は“どの業種・どの職種か”によって異なる実態が見て取れる。専門性が高く、時代が求める成果を実現できる人材ほど、市場での評価や待遇が高まる傾向にあるようだ。

自分らしい働き方を基盤にしながら、収入と支出のバランスを保ちつつ、将来に向けた資産形成をどう進めていくか。その視点が今後ますます重要になりそうだ。

《調査概要》 調査名:「2024年度版  決定年収レポート」 調査主体:パーソルキャリア株式会社 調査期間:2019年4月~2024年3月 調査対象:調査期間に転職サービス「doda」のエージェントサービスを利用し転職した個人 雇用形態:正社員