転職で年収アップを実現した職種は?
転職すると、年収が増える可能性があるのはどういった職種だろうか。今回は転職サービス「doda(デューダ)」を運営するパーソルキャリア株式会社が発表した「2024年度版 決定年収ランキング」を参考にする。同調査では2023年4月〜2024年3月の間にdodaを通じて転職した人のデータを基に、決定年収※の変化や転職前後の年収差を業種・職種別に分析している。前年度と比較し、その上昇幅を比較した職種別ランキングを見てみよう。
※決定年収…転職を受け入れる企業が採用決定時に個人に提示する年収のこと

1位になったのは、15万円アップの「技術職(組み込みソフトウェア)」(524万円→539万円)だった。
同職種の決定年収が上昇した理由は、生産現場の変化にあるようだ。2024年度は電気自動車のバッテリーマネジメントシステムやAI搭載ドライブレコーダー、倉庫管理ロボットなどの領域で活用される組み込み技術※の進化に伴う開発スピード高速化や、防衛費拡大に端を発して防衛関連製品の開発・製造強化が進んだことなどが技術職の採用ニーズを押し上げたと同社では分析している。
※組み込み技術…何らかの機能を実現するため機器に導入されるソフトウエアを作成する技術のこと
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即戦力人材の獲得難易度が高まっており、企業側は給与制度の見直しやリモートワークの推進で働く環境を整備したりと、採用競争力を強化しているという。また、経験豊富なミドルシニア層の転職が増えたことも平均決定年収の上昇につながったとみられる。
2位には、14万円アップの「クリエイター・クリエイティブ職」(430万円→444万円)がランクインした。
生成AIの普及によって簡易なレイアウトやデザイン作成などの自動化が進み、正社員には上流の戦略立案やプロジェクトマネジメントといったスキルが求められるようになったという。
例えば、デザイン領域ではコンセプト設計や企画、ディレクション、映像制作では3Dモデリングやアニメーション、AR/VR※コンテンツ制作などの専門性を備えた人材が求められているそうだ。
※AR(拡張現実)…現実世界に仮想世界を重ね合わせて表示する技術のこと VR(仮想現実)…専用ゴーグル等を用いコンピューターによって創り出された仮想的な空間などを現実かのように疑似体験できる技術のこと