気になる上昇幅ランキングをチェック!
では、どの業種で決定年収が伸びているのだろうか。前年度と比較し、その上昇幅を比較した業種別ランキングを見てみよう。

1位は、17万円アップの「IT・通信」(469万円→486万円)だった。
同社の分析によれば、近年はIT人材不足を補うために実務未経験者の採用も見られたが、2024年度は再び即戦力エンジニアの採用が増加。DXや生成AIの導入を担う高度人材への需要が高まったことが、市場全体における決定年収の水準を押し上げたという。
続く2位は、15万円アップの「旅行・宿泊・レジャー」(406万円→421万円)だ。
同社によると、訪日外国人旅行客の急増や国内旅行の消費拡大により、旅行予約サイトのUX/UI※改善や新サービス開発を担う人材のニーズが高まったという。また、スポーツ・ヘルス関連施設では、フィットネスジムが省人化と店舗拡大を進めており、店舗システムやマーケティング、立地調査などを担う職種での採用が決定年収を押し上げたようだ。
※UX(ユーザーエクスペリエンス)…ユーザーが製品やサービスの使用で得られる体験のこと。UI(ユーザーインターフェース)…ユーザーと商品やサービスとの接点を指す。
3位は、14万円アップの「エネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)」(514万円→528万円)だった。
政府のグリーン成長戦略やESG経営の浸透などを背景に、再生可能エネルギーや脱炭素に関する専門人材のニーズが高まっていると同社では分析。こうした人材は希少で他業界とも競合するため、企業は決定年収を引き上げて採用力を高めているようだ。
上位の顔ぶれを見ると、いずれも専門性の高い業界であり、スキルや経験を積むことで年収アップにつながりやすい傾向がありそうだ。
●気になる「職種別」ランキングについては後編「転職で年収が増えるかもしれない「職種」とは? 「年収上昇幅トップ10」が最新ランキングで明らかに」にて詳報している。
《調査概要》 調査名:「2024年度版 決定年収レポート」 調査主体:パーソルキャリア株式会社 調査期間:2019年4月~2024年3月 調査対象:調査期間に転職サービス「doda」のエージェントサービスを利用し転職した個人 雇用形態:正社員