年金制度改革でどう変わる? 主なポイントをチェック
年金制度はどのように改正されるのか。主なポイントは次のとおりだ。
<主な改正内容>
1. 社会保険の加入対象の拡大…中小企業のパートタイマーなどが厚生年金や健康保険に加入可能に⇒年金増額のメリットを受けられるように
2. 在職老齢年金の見直し…年金を受給しながら働くシニアの年金減額を緩和⇒より多く働けるように
3. 遺族年金の見直し…遺族厚生年金の男女差を解消&子どもが遺族基礎年金を受け取りやすく
4. 保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ…一定以上の月収がある人の賃金に応じた保険料負担⇒現役時代の賃金に見合った年金を受け取りやすく
5. その他…私的年金制度の見直し⇒iDeCo加入可能年齢の上限引き上げなど
1. 被用者保険の適用拡大で「働き方の壁」が低くなる
最も大きな変更点の一つが、「社会保険の加入対象の適用拡大」だ。現在、パートタイマーやアルバイト(短時間労働者)の人が厚生年金に加入するには、賃金や企業規模などの条件がある。いわゆる「年収106万円の壁」などと呼ばれる就労調整の原因ともなっていた。
改正案では、従来の月額給与が8万8000円以上などの賃金条件を3年以内に廃止し、さらに企業規模の条件も2027年10月から2035年10月までの間に段階的に撤廃する予定だ。これにより、より多くのパート・アルバイトの人が厚生年金に加入できるようになり、将来の年金増額が見込まれる。