利益の拡大続き増益予想も米国販売が不振、巻き返しなるか
次に経営成績を確認しましょう。
住友林業は利益の拡大傾向が続いています。業績を振り返ると、2021年12月期から利益水準が切り上がっているさまが明確です。2024年12月期は経常利益が1980億円、純利益が1165億円となり、過去最高益を達成しました。
増益をけん引したのは建築・不動産事業です。コロナ禍で世界的に金利が大きく引き下げられたこと、その後の経済正常化で市場が活性化したことが追い風でした。2023年12月期は金利の上昇などから利益を減らしますが、翌2024年12月期は円安もあり増益で着地しています。
今期(2025年12月期)も増収増益の計画です。米国や豪州で販売戸数の増加を見込むこと、また2024年11月に連結した豪メトリコン社の損益の反映が開始されることなどから、堅調な成長を見込みます。
【住友林業の業績予想(2025年12月期)】
・売上高:2兆5560億円(+24.5%)
・経常利益:2050億円(+3.6%)
・純利益:1230億円(+5.6%)
※()は前期比
※同第1四半期時点における同社の予想
出所:住友林業 決算短信
なお、今期の滑り出しはやや低調です。第1四半期の進捗率は売上高で20.0%、経常利益で18.2%にとどまります。主力市場の米国で金利の高止まりや経済の不透明感が強まっていることなどから、販売が鈍化しました。
一方で、豪州や国内の住宅事業は好調です。通期の見通しは据え置かれており、第2四半期以降で巻き返しを図ります。