対面、ネットとも「家族からのアドバイス」を情報源にする人が一定数

新NISAの取引にあたって参考とした情報源について、調査ではより詳細に質問している。

新NISAの取引にあたって参考としたもの(口座開設先別)

 

※複数回答可

出所:日本証券業協会「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」
 

回答をチャネル別にランキング形式で分かりやすく見ていこう。

新NISA情報源(対面型の証券会社で新NISA口座を開設した人)

1位 対面証券会社の担当者からの説明 27.3%
2位 新聞やテレビ、ラジオからの情報 23.4%
3位 証券会社からのインターネットを通じた情報 18.5%
4位 家族からの意見やアドバイス 12.5%
5位 銀行・その他金融機関の担当者からの説明 11.8%

新NISA情報源(ネット証券会社で新NISA口座を開設した人)

1位 SNSや動画サイトを通じた情報 33.6%
2位 証券会社からのインターネットを通じた情報 23.6%
3位 新聞やテレビ、ラジオからの情報 18.9%
4位 銀行・その他金融機関からのインターネットを通じた情報 12.3%
5位 家族からの意見やアドバイス 12.0%

対面型の証券会社の顧客は直接的なコミュニケーションや従来型メディアを好む傾向にある。一方、ネット証券の顧客はデジタル媒体を通じた情報収集を好む傾向が強い。なお、対面型・ネット証券会社のいずれのチャネルでも、一定数は「家族からの意見やアドバイス」を参考としていることが分かった。情報を収集してはみたものの、判断を下す際には身近な人の意見を参考にしているのかもしれない。

そのほか、「セミナーへの参加」「周囲の投資経験者からの意見やアドバイス」「職場の同僚からの情報」「職場の説明会等で提供された情報」「ファイナンシャル・プランナー(FP)や独立系投資アドバイザー(IFA)等の専門家からの説明」といった人を介した情報と、「冊子やパンフレットからの情報」「金融専門誌や書籍からの情報」といった従来型のメディアからの情報源への回答が見られた。

チャネル別ではほかに、「銀行・信用金庫・信用組合など」「郵便局」「その他の金融機関」があり、3者とも「金融機関の担当者からの説明」がいずれもトップ回答を占めた。

自分に合った情報源を見つけて活用しよう 

この結果からは、投資家の年齢層や投資スタイルの違いを反映している可能性があるといえそうだ。対面型の証券会社の顧客には比較的、高年齢層が多く、個別のアドバイスを重視する傾向があるのに対し、ネット証券の顧客には若年層が多く、自主的な情報収集を好む傾向があると推測される。

新NISA取引における情報源の多様化は、投資家のニーズに合わせた情報提供の重要性を示している。対面型の証券会社とネット証券会社、そのほかの金融機関とそれぞれに特性があり、自分に合った情報提供を求めることで新NISAをより活用していくことができるだろう。

●「もっとこうなったら良いのに…」新NISA制度に望むことについて、後編「私たちが新NISA制度に望むことランキング7610人調査」で詳報している。

調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査