設立99年の素材大手、化学繊維が中核 水ビジネスに強み
東レは繊維メーカーの大手です。1926年にレーヨンの国産化を目指し東洋レーヨンとして設立され、1970年に東レへと改称しました。祖業のレーヨンから化学繊維に強みがあり、国内で唯一3大合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリル)を生産します。また、炭素繊維のシェアは世界首位です。
繊維の主な出荷先の1つがアパレルです。ユニクロとの協働が有名で、「ヒートテック」や「エアリズム」といったヒット商品の素材は東レが手掛けています。ほかにも機能性の繊維は用途が広く、自動車や飛行機などを中心に広範な産業で用いられています。
繊維に次ぐ収益源が機能化成品です。自動車や情報通信、また医療やエレクトロニクス向けに樹脂やフィルムといった素材を提供します。
事業は素材にとどまりません。東レはエンジニアリング事業も手掛けています。この領域は、特に水処理膜に強みを持ちます。水処理膜は、海水や下排水などから工業用水や農業用水を作り出す設備です。東レは中東を中心に海水淡水化で世界シェア首位、半導体向けの超純水の領域でも高いシェアを握ります。
【東レのセグメント情報(2024年3月期)】
※事業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益を控除したもの