スタグフレーションへの懸念

日本時間では3月27日に日付が変わった後、トランプ大統領は4月2日と言われていた25%の自動車関税に関して一足早く適用すると発表しました。事前に言われていた内容ではありましたが、図左側のS&P 500を見ていただくとお分かりの通り、株価が大きく値下がりしました。
そして、非常に厄介な動きをしたのが右側の米国長期金利です。先にお話しした通り、株が下がるときは、株から安全資産の債券にお金が流れるので株安債券高になります。債券と金利は逆の動きをしますから金利は下がります。結果的に株と金利は同じような動きをするわけです。
しかし、米国長期金利で見ていただくと、下がらずに横ばいです。つまり株は下がったのに金利が下がっていないという状態です。ここから何がうかがえるのかを考えてみたいと思います。
株と債券がどちらも下がってしまうと意識されるのがスタグフレーションです。このスタグフレーションは物価が上がってしまう「インフレ」と経済が停滞する「スタグネーション」を足した造語で、景気はさえないのに物価は上がってしまう状況に陥ってしまいます。
スタグフレーション時は当然、株は下がります。ただ、金利はどうかというとインフレを意識してどちらかと言えば上がる方向に動きます。そのため債券は株とともに下がることになります。株も下がるし債券も下がる、これが典型的なスタグフレーション時の反応になります。
やはり、株が下がったのに金利が下がらなかったという背景は、マーケットがスタグフレーションを意識している可能性が高いということが言えると思います。
近年の例では2月にロシアが軍事侵攻を開始した2022年は景気への先行き不透明感から株が大きく下がり、それにも関わらずFRBの利上げにより、債券も売られ、金利は上がっていきました。その結果、株も債券も下落するという非常に投資家泣かせの1年になったのです。3月27日の動きは、2022年を彷彿とさせるような反応だったと思います。
つまり、トランプ関税によって景気の先行きが少し不安視されている状況の中で同時並行的に輸入関税によって物価は上がりインフレも進んでしまうことが懸念されている。足元を見る限り、そういうマーケットの動きが今後一番気をつけるべきポイントではないかと思います。