長期投資の励みになる!? “失われた30年”を経た日経225で積立をしていた場合のざっくりシミュレーション
ところで、ここまでの説明を読んでも、まだ不安が残るという方に、ひとつの実例を示してみたいと思います。
どういうデータかというと、どれだけ大きく値下がりしたインデックスでも、長期で保有すれば報われる可能性が高いことを示すものです。
対象は日経225平均株価です。1989年12月に3万8915円という高値を付けた後、月末ベースで見ると、2009年2月に7568円まで下落。その後も低迷を続け、1989年12月の高値を更新するのに34年と2カ月(2024年2月まで)も要した、とんでもないインデックスですが、これも長期積立投資を行うことで、それなりのリターンを実現できるという実例を計算してみました。
計算の条件は毎月1万円ずつ、月末の日経平均株価を定額購入するというものです。積立開始は1989年1月です。
2009年2月に、日経225平均株価が安値を付けた時の積立金総額は242万円ですが、対する評価額は118万2796円でした。
しかし、そこから日経225平均株価は徐々に上昇へと転じます。2013年9月、日経225平均株価が1万4456円まで値上がりした時点で、積立金総額297万円に対して、その評価額は305万7862円となり、ようやく損失が解消されました。その後、日経225平均株価がバブル後最高値を更新する過程で、評価額はさらに上昇し、2025年2月末時点では積立金総額が434万円であるのに対し、その評価額は1013万8504円です。
実に36年もの時間をかけて2.3倍ですから、投資効率は決して良い方ではありません。が、世界でも類を見ないほどの長期デフレと株価低迷に見舞われたにもかかわらず、長期積立投資を実践すればリターンを得られる、好例のひとつではないでしょうか。
絶対の保証はありませんが、時間は資産形成の味方になってくれるのです。