2024年人気を博した「インド株 SENSEX指数」も最近、少しさえない…!?

今からちょうど20年前の話になりますが、インド株の本を書いたことがありました。2005年のことです。インド株の代表的な株価インデックスのひとつであるSENSEX指数を見ると、当時の水準は7000ポイント弱でした。

そこから2007年11月にかけて株価は一山をつけ、2万ポイント超まで上昇したところで、サブプライムショックやリーマンショックが起こり、2009年1月に9000ポイント弱まで下落したものの、その後は約11年間もの長期上昇局面に入り、2019年12月には4万1200ポイントに到達。2020年3月のコロナショックで2万6000ポイントを切るところまで調整しましたが、再び上昇トレンドに入り、2024年9月26日に8万5836ポイントをつけました。それが直近の最高値で、2025年2月27日現在は7万4612ポイントまで調整しています。

このように見ると、インド株はこの20年間で10倍強まで上昇したことになります。特に2020年3月のコロナショック後は、一段と角度を上げて上昇してきました。

SENSEX指数の値動きを少し細かく見ると、リーマンショックによる株価急落前の高値を更新して、上昇トレンド入りが明確になったのが2014年に入ってからのことです。

そして、この年の5月に行われたインドの総選挙において、インド人民党が勝利をおさめ、同月26日に第18代首相に就任したのが、現在のインド首相であるナレンドラ・モディ首相です。

つまり、2014年にリーマンショック前の高値を更新したSENSEX指数が、10年にわたる長期上昇を続けられた背景には、モディ首相によるさまざまな経済改革があったと考えられます。

モディ首相による経済政策は、「モディノミクス」という名称で知られています。これは製造業の活性化をはかって雇用を創出する一方、道路や鉄道などのインフラ整備を行い、さらには行政のデジタル化を推進してきました。モディ首相の経済スタンスは新自由主義であり、小さな政府と規制緩和を柱としています。

こうした経済改革が実を結んでいることは、インドの名目GDPを見れば分かります。モディ首相が就任した当時の名目GDPは世界10位でしたが、2019年の2期目には6位、2024年の3期目には5位まで上昇し、2029年には世界第3位の経済大国になるのが、確実視されています。