インド株は調整局面、押し目買いのチャンスでもある!?
これだけ好材料のそろっているインドですが、なぜ昨年の秋口以降、株価が再び調整局面に入っているのでしょうか。
いくつかのレポートに目を通すと、株価下落の背景にあるのは、主要企業の2024年7-9月期決算の数字が悪かったことに起因しているようです。その結果、自動車や消費財関連を中心にして株価が下落し、全体の足を引っ張ったと見られています。
また、ルピーが対米ドルで下落し続けているのも嫌気されています。昨年11月時点では1米ドル=84ルピー前後で推移していたのが、2月10日には一時的に1米ドル=87ルピーまで、ルピー安が進みました。ルピー安はインド国内の物価上昇要因であり、金融引き締め懸念を強めます。当然、株価にとってはネガティブ要因です。
とはいえ、現在のインド株にとってネガティブとされる要因は、いずれも循環的なものです。中国で生じている不動産バブルのような構造的問題なら、株価低迷が長期化する恐れも生じてきますが、循環的な要因であれば、ある程度の時間の経過に伴い、再び上昇局面に入っていく可能性は十分に考えられます。
インドでは現在、SIP(Systematic Investment Plan)という、税制優遇のある投資信託積立制度があり、この制度を通じた株式市場への資金流入が年々増加しています。2022年6月時点の口座数は5549万口座だったのが、2024年11月には1億口座を突破しました。こうした制度による安定的な株式市場への資金流入は、株価の下支えになります。
現在の株価の調整局面は、むしろ押し目買いのチャンスともいえるでしょう。