退職年金額はどのように決まる?
退職年金では、会社から拠出される掛金を積み立てて定年後に受け取るが、その掛金の算定方法も社によって異なる。退職年金の種類別に、主にどの方法が多いのかについて見ていこう。
掛金の算定方法
【確定給付企業年金(規約型)】
・点数(ポイント)×単価 42.9%(制度のある77社のうち33社)
・算定基礎×定率(全員同率) 31.2%(同24社)
【確定給付企業年金(基金型)】
・点数(ポイント)×単価 45.9%(制度のある37社のうち17社)
・算定基礎×定率(全員同率) 37.8%(同14社)
【確定拠出年金(企業型)】
・点数(ポイント)×単価 39.1%(制度のある110社の43社)
・算定基礎×定率(全員同率) 16.4%(同18社)
いずれも単価に点数を掛けるポイント制を導入する企業が4割程度と、最も多い結果となった。なお、他の方法には定額(全員同額)などの回答もあった。
また、確定拠出年金(企業型)制度のある企業でマッチング拠出を導入しているのは56.5%(108社のうち61社)となった。
マッチング拠出とは、企業が拠出する掛金に加え、従業員自らが掛金を上乗せして拠出する仕組みのこと。企業拠出の掛金にさらに上乗せできるため、一層の税制優遇を受けつつ老後資金の準備が可能となる。現状では、従業員が拠出する掛金の上限額は企業側の拠出額を超えることはできないが、この制約が撤廃されることが2025年度の税制改正大綱に盛り込まれている。
世の中の退職金制度の実情が分かったところで、気になる退職金の金額はいったいどのくらいが相場なのだろうか。
●関連記事「退職金の平均額が判明、いったい“いくら”か?【200社調査】」にて詳報している。
調査概要 調査名:令和5年賃金事情等総合調査 調査主体:厚生労働省中央労働委員会 調査実施期間:2023年8月2日~9月12日 調査対象企業:380 社(資本金5億円以上かつ労働者1000人以上)、うち回答企業数 201 社(回収率52.9%)