商品を投資信託に切り替えて、運用益は約300万円のプラスに
昨年、60歳で勤務先の会社を定年退職したT.Mさん。会社の退職金制度である企業型確定拠出年金(企業型DC)の内訳は次のとおりです。
T.Mさんのプロフィール(60代男性・定年退職)
年収:800万円(在職時)
投資歴:11~20年
投資経験がある金融商品:投資信託、国内株式
金融資産:5000万円
企業型確定拠出年金の加入歴:15年
企業型確定拠出年金(企業型DC)の開始当初、運用商品は定期預金一択だったというT.Mさん。会社から支給される金額(掛金)をすべて投じていたと言います。
ところが、「このままではいけない」と定期預金から商品を変更するきっかけが訪れたのは5年前。会社が行った資産運用についての説明会でした。
ここで基本的な知識を得たというT.Mさん。これまで定期預金で運用していた金額もすべて思い切って投資信託に切り替え、運用方法を刷新したのです。
●前編:60代年収800万円・金融資産5000万円超で定年退職、「企業型確定拠出年金」の運用益を増やした“運命の商品選択”
――運用商品を投資信託に切り替えて、損益はどうなったのでしょうか?
T.Mさん それからは順調に資産が増えていき、現在では約300万円のプラスになっています。投資信託に切り替えてからは一切、商品の入れ替えは行っていません。
昨年、60歳で定年退職しました。確定拠出年金は75歳までに現金化すればいいので、退職後も運用を続けています。いまだに入れ替えはまったく行っていません。今のところ特にまとまった現金が必要になる予定はないので、おそらく75歳になるまで今のまま運用を続けると思います。
75歳まで企業型確定拠出年金での運用を続けるつもりというT.Mさんですが、一方でひそかに懸念もあると打ち明けます。
――運用は順調ですが、今後の課題も感じているとか。
T.Mさん はい、懸念もあります。当然ながら、企業型確定拠出年金口座での運用ですので、NISA口座ではありません。そこは気になっていますので、NISA口座に移すべきかなあとは思っていますね。