退職一時金とは? 導入状況は
参考にするのは全国約200社から回答を得た「令和5年賃金事情等総合調査」における「退職金、年金及び定年制事情調査」(厚生労働省中央労働委員会)。同調査では、退職金制度(退職一時金制度、退職年金制度)と定年制の事情について公表している。なお、調査における対象企業の平均年齢は 40.9 歳、平均勤続年数は 17.3 年となっている。
退職金制度は、大まかに退職一時金と年金に分かれる(両方ある会社もある)。主な違いは、退職一時金は一括受け取り、年金は分割受け取りという点だ。
はじめに退職一時金の導入状況について見ていこう。同調査で退職一時金制度を採用しているのは約200社中、143社。つまり約7割にあたる。
その退職一時金の額を算定するベースとなる基準についてだが、「退職時の賃金」が23社(16.1%)、「そのほか」は123社(86.0%)となった。そのほかをベースとする企業では、具体的には「点数方式※1」96社(78.0%)、「別テーブル方式※2」22社(同17.9%)等となっている。
※1 点数方式…職能等級、勤続年数等を点数(ポイント)に置き換えて算定する方式
※2 別テーブル方式…賃金と連動しない体系またはテーブルで算定する方式
退職一時金を導入する企業は約7割で、そのうち退職一時金の算定基準は職能等級や勤続年数を基とする点数方式(ポイント制)を採る企業が8割近いという結果となった。