◆分配金利回り33%のアクティブファンド

売れ筋の第6位と第9位にランクインしている「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド」は、日本を除く世界の株式市場を対象とし、ボトムアップリサーチで長期的に成長が期待できる企業を選定して割安な段階で投資するファンドだ。フィデリティの持つボトム・アップの調査力を発揮し、インデックスに勝る運用成績を残している。2025年1月末時点で為替ヘッジなしの「Bコース」の1年トータルリターンは44.7%で、これは、同期間の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の30.5%を大幅に上回っている。売れ筋ランキングで第6位にある「Dコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」は、ファンドの高いリターンを分配金として毎月払い出す仕組みで、現在は1万口あたり400円の分配金を出している。分配金利回りは年33.3%となり、公募ファンドの中で最も高い分配金利回りになっている。

アクティブファンドは、インデックスのように市場全体の指標になる必要はない。魅力のない企業は投資対象から外し、魅力的な企業を割安な水準で投資することに徹している。今後、トランプ政権の関税政策などで、米国経済がさまざまに変化することが考えられるが、その変化の中にあって強固なビジネスモデルでしっかりと利益を稼ぎ出し、したたかに成長を遂げる企業を見極めることこそアクティブファンドマネジャーの能力というものだ。2月のランキングで第10位にランクインしてきた「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」も含めて、アクティブファンドのパフォーマンスの推移に注目したい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩