半導体3社の業績はどうなっている?
TSMCは、台湾で1987年に設立された半導体メーカーです。TSMCの特徴は、他の半導体メーカーが設計した半導体の製造を受託する事業を専業で手掛ける、ファウンドリという事業形態にあります。
TSMCの受託先は米アップルや先に紹介したエヌビディアなど半導体のトップメーカーで、同社は2023年12月期第4四半期における市場シェアが60%を超える(台湾Trend Force調べ)、世界最大のファウンドリです。
最近では、2024年2月に熊本に第1工場を開設したことでも話題となりました。また、同時に熊本第2工場を建設するとも発表しています。
そんな半導体業界の注目企業3社ですが、足元の業績はどうなっているのでしょうか。
ルネサスの2023年12月期決算は、売上収益(売上高に相当)が1兆4690億円(前期は1兆5010億円)、営業利益は3910億円(同4240億円)と減収減益であったものの、当期利益は3370億円(同2570億円)と3期連続で過去最高を更新しました。
エヌビディアの2024年1月期の売上高は609億ドル(1ドル=147円換算で8兆9560億円)と前期から2.3倍に、営業利益は330億ドル(同4兆8470億円)で前期の7.8倍という衝撃的な決算で過去最高を記録しました。エヌビディアの好決算は日本の株式市場にもインパクトを与え、2024年2月から3月にかけての株高につながりました。
TSMCの2023年12月期の売上高は2兆1620億台湾ドル(1台湾ドル=4.6円換算で9兆9440億円)、営業利益は9210億台湾ドル(同4兆2390億円)と減収減益でした。
このように、当時の決算では明暗が分かれた各社ですが、それぞれのビジネスモデルや戦略も大きく異なります。ここでは、各社の違いがB/Sにどのような差をもたらしているのかを解説していくことにしましょう。
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