◆パフォーマンス上位にはブラジル株ファンド
月次のパフォーマンス順位では、トップは「HSBCブラジルオープン」の10.15%、次いで、「HSBCブラジル株式ファンド(3カ月決算型)」の10.03%、「BNPパリバ・ブラジル・ファンド(株式型)」8.94%となった。ブラジル株式の代表的な株価指数であるボベスパ指数は1月に5.5%上昇し、また、通貨ブラジルレアルが上昇していることから、為替効果もあってブラジル株ファンドのパフォーマンスが押し上げられている。
ブラジル中央銀行は2025年1月の金融政策決定会合で政策金利を1.0%引き上げて13.25%とした。2024年9月に利上げに転換して以来3回連続の利上げとなり、利上げ前に10.50%だった政策金利の水準が急速に上がっている。また、中銀は次回(3月)の政策決定会合で1%利上げも示唆している。ブラジルのインフレ率は1月が前年同月比4.56%と前月の4.83%を下回りブラジル中銀の物価目標の3%プラスマイナス1.5%の上限に近づいてきている。当面は金融引き締め姿勢を堅持するとみられるが、インフレ率が落ち着いてきていることは、通貨のみならず、株式市場にとっても安心材料となろう。また、新興国は全般に「トランプ関税」に関して神経質になっているが、ブラジルは米国に対しては貿易赤字の国であり、厳しい関税の影響を免れるのではないかと期待されている。
執筆/ライター・記者 徳永 浩