金融環境:金融環境の緩和でFRBの利下げ再開は後ズレ含み

FRBは、年明けの1月会合で4会合ぶりに利下げを見送りました。パウエル議長は会合後の会見で「利下げにはインフレ鎮静化の進展が必要」と指摘し、利下げを急がない姿勢を示しました。FRBによる政策金利調整は、トランプ政権による関税政策の影響などを含めた物価情勢を見極めつつ、慎重に進められるとみられます。

インフレリスクについては、マーケットを含む全体的な金融環境の観点からの点検も必要です。この金融環境を点検するには「FCI-G」(FRB公表の経済成長に対する金融環境インパルス)という金融環境指数が適しています。同指数は、①政策金利、②長期金利、③住宅ローン金利、④ハイイールド債利回り、⑤株式、⑥住宅価格、⑦為替の7つの変数で構成されており、成長に対する金融環境を示す指数といえます(下図2)。

2024年末時点でFCI-Gは、主に④ハイイールド債と⑦為替が引き締め方向に作用していますが、昨年秋頃から、トランプ政権への期待から株式市場では買いが優勢となり、⑤株式要因主導で金融環境指数全体が緩和方向に動いています。

 実質政策金利が高止まりし(下図1)、景気に対し抑制的な水準にあることから、FRBの利下げ局面は継続するとみられます。ただ、マーケットの楽観が継続し、金融環境全体が緩和状態に振れる局面ではインフレ再燃懸念が残りやすいため、FRBの利下げ再開が従来の想定以上に後ズレする可能性には留意が必要と考えます。

 

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