主要マーケットの見通し:株式市場
米国株のバリュエーション 割高状態の正当化は可能か
米国株(S&P500指数)は2023・2024年の2年連続で20%超上昇しました。同指数の予想PERは22倍台(2025年2月時点)と、市場では株価の割高感を指摘する声が拡がっています。足元の株式バリュエーションは正当化が可能でしょうか。
株式市場の割安/割高感を測る有効な指標のひとつとして、イールドスプレッド(≒株式益回り(PERの逆数)ー10年国債利回り)が挙げられます。これは、投資家が株式に要求する利回りのうち、国債利回りへの上乗せ分といえ、この値が低下するほど株式の割高感が相対的に強まっていると解釈されます。
株式市場が極端に割高状態となったITバブル期と現在を比較すると、ITバブル期のピークでは情報技術セクターのイールドスプレッドは▲4%をつけましたが、足元は▲1%弱です。また、S&P500指数全体のイールドスプレッドも、当時のピークが▲2%程度なのに対し、足元はまだプラス圏にあり、バブル期ほどの過熱状態にはありません。
今後、株価バリュエーション(イールドスプレッド)がITバブル期並みに割高となるケースは3通りあります。①企業収益見通しを上回る株価上昇、②企業収益見通しの悪化、③金利上昇です。②は、 “ディープシークショック”で露呈したように米大手ハイテク銘柄の利益独占が崩れるリスクに注意が必要です。③金利上昇については、トランプ政策によりインフレ再燃・財政悪化等が顕在化する場合が想定されます。いずれの可能性にも注視が必要と考えます。


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