主要マーケットの見通し:債券市場

米金利は下げ渋りへ インフレ再燃が焦点に

米10年国債利回りは、2024年9月の米利下げ局面入り後につけた3.60%台をボトムに反転上昇し、2025年1月には、一時4.80%台まで急上昇しました。主な背景として、足もとの米国経済の底堅さやインフレ下げ渋りだけでなく、2024年11月のトランプ大統領当選後の政策動向(関税引き上げ・移民排斥・減税策・財政赤字拡大)を巡る不透明要素により、債券市場でインフレ再燃懸念が強まったためとみられます。

図1は、2024年9月末~2025年1月末の米10年国債利回りの上昇分を要因分解したものですが、政策金利要因と需給要因のいずれも押し上げ方向に寄与しました。これは利下げの金利下押し要因より、米経済の底堅さと政策不確実性による金利押し上げ要因が債券市場で評価されたことを示唆しています。

この先も米国経済が底堅く推移するならば、インフレ関連指標の下げ渋りが継続することで、政策金利要因の低下は期待しづらいとみられます。

他方、トランプ政権の財政政策の方向性が明確になるにつれ、主として2024年10-12月期に生じた需給要因による金利押し上げ分は徐々に剥落することで、10年国債利回りは4%台前半程度まで低下していくとみられます。

現時点では、トランプ政権の関税・移民政策の影響が見極められない上、財政・エネルギー政策や債務上限に関する議会運営は難航するとみられます。これらの政策に対する先行き不透明感がマーケットで意識され、金利の下げ渋り状態が続く可能性には予め留意が必要と考えます。

 

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■関連リンク https://www.resona-am.co.jp/oshirase/2025/pdf/250214_m.pdf

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