決算で売られる 株価は上げ幅の半値まで値下がり

AGC(旧・旭硝子)が正念場を迎えています。同社は2024年8月、当期(2024年12月期)の業績見通しを大幅に下方修正しました。通期で530億円の純利益を計画していたところ、一転して950億円の赤字を見込む内容です。直後に日本株市場全体が急落したこともあり、株価は大きく下落しました。

結局、純利益は計画をやや上回る940億円の赤字で着地します。しかし市場はネガティブに受け止め、本決算発表日(2月7日13時に公表)は前日比4.7%安で取引を終えました。

足元の株価は直近5年間の安値から高値の半値(4147.5円)近辺です。いわゆる「半値押し」の状況にあり、近年はこの水準で反発することもありました。

【AGCの株価チャート(過去5年間)】
・株価:4190円(2025年2月7日終値)

 
出所:Tradingview
 

本決算では今期(2025年12月期)の見通しも公表されました。純利益は800億円、1株あたり配当金は前期と同額の210円を計画します。配当利回りは5%と高く、計画どおりなら1単元(100株)で2万1000円の配当金を受け取れます。

【AGCの予想配当利回り(2025年12月期)】

・予想配当金:210円
・予想配当利回り:5.01%

出所:AGCホームページ

ただし、配当金には約2割の税金がかかります。配当金が2万1000円なら、税金は約4200円、手取りは約1万6800円です。

しかし、NISAなら非課税で配当金を受け取れます。株式は成長投資枠で買うことができ、その年間投資可能額は240万円です。AGCの場合、足元の株価水準なら500株まで購入できます。配当金に変更がなければ、10万5000円を非課税で受け取れます。

とはいえ、不安定な業績は気になるところです。AGCはどうやって回復を図るのでしょうか。直近の決算と中長期の経営計画から探ってみましょう。