伸び率横ばいorマイナスの業種も
18位は「造船」で同0.45%増。昨年は前年比で増えていたため現状維持となったのだろうか。四方を海に囲まれる日本にとって造船業は昔から重要な産業。今でも世界で上位に入るシェアを誇る。コロナ禍が終息した後の世界的な経済活動の再開で海上輸送が増加。それに伴い船舶の需要も増えているが、中国勢や韓国勢との競争も激しいのでさらなるボーナスの増額には慎重なのかもしれない。
19位は「非鉄金属」で前年比1.31%減。昨年も前年比で減少しており、減少は2年連続だ。非鉄金属とは金、銅、アルミニウム、ニッケルなど、鉄以外の希少金属。商品市況や非鉄金属を材料として使う自動車や半導体などの製品需要によって業績が大きく左右されることから、先行きに慎重な企業が多いのだろうか。
20位は「金融・保険」で前年比7.77%減。こちらも減少は2年連続。日銀の段階的な利上げもあって「金利のある世界」が復活しつつあることから、今後の収益改善によるボーナス増額に期待したいところだ。
最後に21位は「食料品・たばこ」で前年比16.76%減と約14万円も減少した。昨年は前年比で6.19%も増加しているが、その増額幅を帳消しにしても足が出る結果となった。値上げ効果などもあり、上場する大手食品メーカーの直近業績は悪くなさそうだが、企業によっては価格転嫁がしづらいところもあるのだろうか。現に前年と同一企業による集計だと10.40%増であるため、実際のところは企業によりけりといえそうだ。
●気になるランキング1位~10位は後編「うらやましいかぎり?「冬のボーナス伸び率ランキング」1位~10位が判明」にて詳報している。
調査概要 調査名:令和6年 民間主要企業年末一時金妥結状況 調査主体:厚生労働省 調査対象:妥結額(妥結上明らかにされた額)などを把握できた資本金 10 億円以上かつ従業員 1000 人以上の労働組合のある企業 324 社 公表日:2025年1月 17 日