配当利回り5% 5期連続の無配から一転、高還元銘柄に

川崎汽船の株価は2024年9月にかけて大きく値上がりしました。高値からは調整していますが、5年間の騰落率は1021%(11.2倍)にも達します。海運市況の改善に伴う利益の拡大が投資家の買いを誘っているようです。また株主還元を積極化していることも、株価を支えているとみられます。

【川崎汽船の株価チャート(過去5年間)】
・株価:1951円(2025年1月29日終値)

 
出所:Tradingview
 

今期(2025年3月期)の配当金もチェックしてみましょう。今期は1株あたり配当金を上方修正し、通期で100円を予定しています。株式分割考慮後で前期比17円の増配、期首予想比では15円の増額です。配当利回りは5%台と、比較的高い水準となっています。

【川崎汽船の予想配当利回り(2025年3月期)】

・予想配当金:100円
・予想配当利回り:5.13%

出所:川崎汽船ホームページ

配当金を重視した投資なら新NISAを検討しましょう。配当金には本来、およそ2割の税金が発生します。しかし、新NISAを通じて投資すると、配当金を非課税にすることができます。配当金を非課税にするには、受取方法に株式数比例配分方式を指定します。配当金の受取方法は証券会社のウェブサイト等で変更できます。

新NISAで株式に投資できるのは成長投資枠です。成長投資枠は年240万円まで投資ができます。現在の川崎汽船の株価(1951円。2025年1月29日終値)から計算すると、1200株まで購入できます。計画どおり1株あたり100円の配当金が支払われるなら、総受取配当金は12万円となります。

とはいえ、実は川崎汽船が高配当銘柄として注目されるようになったのは最近のことです。2021年3月期までは5期連続の無配で、今期は復配して4期目となります。

なぜ川崎汽船は株主還元に積極的になったのでしょうか。背景には拡大した利益と、それに伴い膨らんだ自己資本があります。それぞれ要点を解説します。