「ゼロゼロ融資後倒産」は734件 4年連続で増加
先に飲食店の倒産がコロナ禍の2020年を上回った件に触れたが、みなさんはゼロゼロ融資を覚えているだろうか。コロナ禍で売上が大きく減少した中小零細企業などに実質無利子・無担保で融資を行う制度で、2023年7月からその返済が本格的に始まっている。融資を受けたものの、結局事業を継続できなかった企業もあるのではないか。
調査によれば、ゼロゼロ融資後倒産は734件判明し、4年連続で過去最高を更新。融資の回収が困難な不良債権に相当する「ゼロゼロ融資喪失総額」は1163億円にのぼった。業種別では「建設業」(143件)が最多で、「サービス業」(139件)、「小売業」(138件)と続く。

「後継者難倒産」は過去2番目の高水準
人手不足による人材確保の問題は経営者にも波及。後継者不在によって事業継続が困難になる「後継者難倒産」も増えているのではないか。
調査によれば、後継者難倒産が判明した件数は540件で、昨年の564件より下回ったものの、過去2番目の高水準だった。後継者難倒産の主なトリガーとなるのは、やはり「経営者の病気、死亡」で、後継者難倒産の4割を占めている。この結果から経営者が生きているうちに、後継者問題に道筋をつけることが重要な経営課題になりつつあることがわかる。業種別では、「建設業」(124件)、「製造業」(95件)が多かった。
