老舗企業の倒産は記録的水準に
今回参考にするのは、調査会社の帝国データバンクによる、負債1000万円以上の法的整理による倒産を対象とした調査だ。同調査によると、2024年の倒産件数は9901件で昨年に比べて16.5%増。また負債総額は2兆2197億円でこちらは昨年より6.6%減っている。
企業と言っても、設立間もない新興企業から老舗企業までさまざま。業歴別でみると倒産件数にどのような違いがあるのだろうか。調査によれば、倒産件数が最多だったのは業歴「30年以上」の3144件で、3000件を超えるのは2013年以来のこと。特に業歴100年以上の老舗企業の倒産は145件と2000年以降では最多となる記録的な水準だった。
100年の間には戦争や震災、バブル崩壊などもあった。1970年代の石油ショックでは現在を上回る物価高騰が起きている。そうした荒波を生き抜いてきた老舗企業でも力尽きてしまうのは、現在が大きな変革期にあるからかもしれない。
●前編:日経平均20%増加の陰で企業の倒産件数は3年連続で大幅増 “リアルな”日本の景気とは
