「日常生活自立支援事業」の利用を

子が親の金銭管理を行うことが一般的ではありますが、子どもがいない世帯もありますし、遠く離れた場所に住む子どもに金銭管理を任せるのは現実問題難しいでしょう。

そんな時は、社会福祉協議会が行う『日常生活自立支援事業』を利用し、お金の入出金や保管までお願いすることができます。相談は無料です。

今回のケースのように、親のお金を管理する子やその家族にギャンブル好きがいたり、借金がある場合は親のお金を使い込んでしまう可能性も考えられます。子の適性を見極め、必要ならばこうした支援事業を利用すると良いでしょう。

一方、真面目に親のお金を管理しているのに、きょうだいからお金の使い道を疑われてしまうケースもあります。

「どうせ分からないからって、少し多めに引き出しているんじゃないか」とか、「内緒で小遣いもらってるんじゃないか?」などと、心ないことを言われてしまうこともあるようなのです。

個人的には、仮に介護をしてくれる子に親が小遣いをあげたとしても、それがそんなに悪いことか?と筆者は思いますし、金銭感覚に問題がない親のお金の使い方を干渉してくるのは、親のお金を「自分のお金」とどこかで思っている証拠なので、良いことではありません。

とはいえ、大切な親子間・きょうだい間だからこそ、お金で揉めるのを避けたいですね。こんな時は第三者を入れることで解決できることも多いため、ぜひ紹介したサービス(日常生活自立支援事業)などをご活用し、無用なトラブルを避けましょう。

●第3回は【生活苦に悩んでいた要介護の老夫婦が、実は申請できた「2つの手当」】です。(1月31日に配信予定)

介護のプロだけが知っている! 介護でもらえる「お金」と「保障」がすらすらわかるノート

 

著者名 河北美紀

発行元    実務教育出版

価格 1,870円(税込)