競馬好きな長女の夫による「経済的虐待」と判明

話し合いの場に出席した次女によると、両親は持ち家であり年金も月20万円近く受け取っているため生活には困らないはず。またある程度貯えもあり、病院にも行けないということはないはずだと言いました。

そこで次女から長女へ連絡を取ってもらい、Y夫妻の200万円の預金はどうなっているのか問いただしました。しかし、「忙しいから、まだ銀行へ行っていない」というばかり。そして何度か長女とやりとりをするうち、なにかやましいことがあるかのようにメッセージが一切既読にならなくなったというのです。

その後は区が介入。長女のことを調べたところ、長女の夫による預金の使い込みが判明。自分の生活費やギャンブルなどに使っていたことがわかりました。

援助のポイント・対処方法 「経済的虐待」は珍しいことではない

高齢者虐待の中でも、1位の身体的虐待に次いで多いのは「経済的虐待」です。お金のことは、介護事業者も把握することは難しく、公共料金や介護サービス利用料が滞ってはじめて「お金がない」ことが分かったりします。

今回はキーパーソンとなった長女が親の金銭管理を代行していましたが、そもそも「夫がギャンブル好き」なのに、なぜ金銭管理を任せたのか?という適正も気になるところです。とはいえ、「親のことは長男・長女がやるもの」というY夫妻の考え方もあったのかもしれません。

きょうだいの一人が親の金銭管理をするのであれば、毎月通帳の記帳頁を全員で共有する、親に見せるというルールを最初に作っておくべきでしょう。