松井証券の投信売れ筋ランキングの2024年12月のトップは前月の第4位から「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が浮上した。前月トップだった「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は第2位に後退し、前月2位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は第4位にまで下がった。代わりに前月はトップ10圏外だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が第6位に、「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」が第7位に、「のむラップ・ファンド(積極型)」が第9位にランクインした。

一方、前月の第6位だった「大和住銀DC国内株式ファンド」、第7位だった「米国NASDAQオープンBコース」、第9位だった「たわらノーロード 先進国株式」はトップ10から落ちた。

 

※週次データで12月最終週(23日~27日)と11月最終週(25日~29日)を比較
(出所)公開データに基づいて編集部作成。

◆アクティブが沈み、インデックスが浮上した

松井証券の売れ筋ランキングは週次で発表されているため、各月最終週のトップ10を比較した。2024年12月は23日~27日の週、11月は25日~29日の週を使った。松井証券の売れ筋ランキングでは10月、11月と続けて「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」と「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」のアクティブファンドが第1位と第2位を獲得していたが。12月になって「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などのインデックスファンドが勢いを取り戻した格好になった。

新たに第6位にランクインした「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、米国の代表的な大型ハイテク株で構成される「NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)」に連動する運用成果をめざすインデックスファンドだ。「NYSE FANG+指数」、Facebook(Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の4社を含む、ビッグテック10銘柄で構成される株価指数で、毎年3月、6月、9月、12月に銘柄入れ替え(検討)と10銘柄への投資が等金額になるようにリバランスを行っている。2024年9月に組み入れ銘柄が変更され、FANGに加えて、エヌビディア、ブロードコム、アップル、クラウドストライク、サービスナウ、マイクロソフトになっている(新規採用はクラウドストライクとサービスナウ。テスラとスノーフレイクが除外された)。

「FANG+指数」は、おおむね「マグニフィセント・セブン」と言われる銘柄群と重なっており、過去数年間の米国株式市場をけん引し、昨年は割高感が強調された銘柄群だ。それだけに、過去の運用成績は群を抜いて素晴らしく、2024年11月末時点で過去1年間のトータルリターンが52.6%、過去3年間では106.8%と2倍以上となり、過去5年間では466.3%と5倍を超える運用成果を実現している。2018年1月31日に1万円で設定された同ファンドの基準価額は2024年12月30日時点で7万2352円になっている。同ファンドでは定期的に組み入れ銘柄の見直しが行われているため、成長力の鈍った企業などは除外されている。その結果としての運用成績が改めて同ファンドへの評価につながったと考えられる。