トランプ政権1期目が参考に。国内は大阪万博関連の経済効果にも注目
――2025年、投資家が注目すべき点は?
トランプ政権1期目の動きが参考になるだろう。ちなみに、トランプ1期目はシェール増産に伴う原油安とトランプ減税期待で1年目の株価は上がったものの、2年目は追加関税掛け合いの影響で株価は踊り場からやや下落。そして3年目は、2年目の米経済悪化を受けた利上げの打ち止めと利下げ期待により再び株価は上昇に転じている。
このため、今回もどのタイミングでドル高けん制発言やシェールの増産、そして何よりも追加関税が発動されるかに細心の注意を払うべきだろう。そして注目指標としては、やはりFRBのデュアルマンデート※にかかわる物価と雇用のデータが挙げられる。日本では流動化している政局に加え、4月から始まる大阪万博関連の経済効果にも注目だ。
※デュアルマンデート…「物価の安定」と「雇用の最大化」という2つの使命
第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト
永濱 利廣氏
早稲田大学理工学部工業経営学科卒、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。第一生命保険に入社後、日本経済研究センターに出向。現在、第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。内閣府経済財政諮問会議有識者、総務省消費統計研究会委員、景気循環学会常務理事、跡見学園女子大学非常勤講師。2015年に景気循環学会中原奨励賞受賞。著書は『「エブリシング・バブル」リスクの深層 日本経済復活のシナリオ』(講談社、共著)、『給料が上がらないのは、円安のせいですか?通貨で読み解く経済の仕組み』(PHP研究所)ほか多数。