日本の経済成長率は1%程度に改善、ドル円はやや円高レンジに
――2025年の日本経済の見通しは?
一方で日本の経済成長率は1%程度となり、マイナス成長の可能性が高い24年よりやや改善すると予想。24年はスタグフレーションに伴う民間の実質購買力の低下等から低成長となったが、25年は人手不足に伴う前年並みの春闘の一方で、民間の節約志向などから企業の値上げペース鈍化などによりインフレ率が低下し、実質賃金がプラスに転じると期待される。
ただ、実質賃金プラスは日銀の追加利上げを後押しすることになり、利上げは年2回を想定。結果として株価は年前半はそこそこ堅調に推移も、年後半は米国の追加関税の影響などを受け、踊り場からやや調整局面を見込む。
長期金利は日銀による利上げが実施される半面、米長期金利の低下の影響も受け、1%台前半で推移。ドル円はやや円高レンジに振れるだろう。
リスクシナリオはトランプ政権の過剰な追加関税
――2025年のマーケット展望は?
欧米が中立金利に向けた緩やかな利下げを続ける一方で、日銀が緩やかな利上げを進めることから、為替相場は24年よりもやや円高レンジにシフトすると見ている。トランプ大統領のドル高けん制発言も円高ドル安に加担。とはいえ、24年の150円台中心のレンジが140円台中心のレンジにシフトする程度だろう。
長期金利も各国で緩やかな金融政策シフトにとどまるため、米国で4%程度が中心レンジ、日本も1%台前半で安定すると予想している。
一方でリスクシナリオは、トランプ大統領の行き過ぎた追加関税が市場に悪影響をもたらすことだ。そうなると、トランプ1期目の2年目のように、米経済が大幅減速し、日本経済も景気後退局面入りする可能性が高い。となれば、ドル円も130円台中心レンジまで円高ドル安が進み、米長期金利も3%台、日本の長期金利も1%割れ水準となろう。