企業型DCと個人型DC(iDeCo)の併用は基本的に可能ですが、併用する人はまだ多くはありません。企業年金制度ありのiDeCo加入者は全体の15%程度にとどまっています。
そもそもDC活用のメリットは何?
NISA(少額投資非課税制度)のメリットである運用益非課税は、確定拠出年金(DC)でも同様の効果があります。
NISAにはないDCのメリットは、DC掛金が全額所得控除の対象となる点です。ゆえにDCの活用といえば、まずは「掛金拠出」に注目することとなります。
DCに拠出した金額は所得税・住民税がかからず、老後資産形成のために積み立てていくことができます。具体的な数字で確認してみましょう。
DC掛金拠出額:毎月1万円
税率:所得税率5%、住民税率10%
→1年間で1.8万円の節税効果
上記の試算は最も低い所得税率5%で行っています。所得が上がっていけば所得税率も上がるため、より節税効果も大きくなります。また、拠出する金額が大きければ、その分節税額も大きくなります。生命保険料控除のように限度額がない点も魅力といえるでしょう。
ただし、老後資産形成のための制度なので60歳までは引き出せないという留意点はあります。そして大事なポイントは、この節税効果が企業型DCの加入者掛金(マッチング)拠出でも、iDeCoの掛金拠出でも同じという点です。